最後の場所

ようやくコロナも下火になり電車でもマスク外す人がちらほら、と思ったら全然いない!
通りを歩く人は私も含めてしてない人が多いけど、密集する場所ではね。
昨日都立駒込病院の緩和ケア棟に行ってきた。

ここはかつてお世話になったHASE-Mさんの最後の場所。

がんで苦しみながらもいつもおしゃれで格好良かった。
事務所にもよく遊びに来て、今晩飲もうよと誘ってくれた。
鶯谷の焼き鳥屋で折角東京に事務所を移したのに全然仕事の無いわたしを励まし続けてくれた。
自分の病気のことはさて置いて。
痛みも苦しみも一言も言わず、いつもニコニコ。
あの人はもういない。

深夜の駅前の交差点とっくに渡り終えた私が振り返ると、彼は一人交差点の真ん中に立ち止まり、悠然と煙草を取り出し火をつけていた。

鳴り響くクラクションをものともせず黒いシルエットが風になびいていた。

そのダンディな姿のまま彼は逝ってしまった。

さてここで最初の緩和ケア病棟の話に戻る。
大学時代の友人、コロナの前にあったきり。

再会が緩和病棟になってしまった。今は辛すぎて書けない。
面会に向かうバスの中でもう神様が連れていってしまうのだと思おうとしたけど
変わり果て、まるっきり別人になった姿を見たら、少しでも楽にしてあげたいという思いだけ。
100分の一秒だけ私を認めたようだった。
そんな気がした。感覚がマヒして言葉がほとんど出ない。
もっと話せると思っていた。もう少し、もう少しだけ。

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