その業界は近くにいた。いつもいつも近くにいた。古くからの友人のように走り始めた時から心配するように付き添っていた。意識はしなかった。全然違う分野だから接点は弱い、と思っていた。時々連絡を取り合い、時々アドバイスし、報酬も貰った。微々たる物なので売り上げとしての認識も無かった。むしろこちらがサービスしてあげている。彼らには出来ない事だから、と思っていた。15年がそうして過ぎていた。時は未曾有の経済不況、大恐慌の様相を呈しはじめた。今年は一国の不動産不況、限定版バブル崩壊で終わると思っていたのに、地球を...