伴走者

伴走者

その業界は近くにいた。いつもいつも近くにいた。古くからの友人のように走り始めた時から心配するように付き添っていた。意識はしなかった。全然違う分野だから接点は弱い、と思っていた。時々連絡を取り合い、時々アドバイスし、報酬も貰った。微々たる物なので売り上げとしての認識も無かった。むしろこちらがサービスしてあげている。彼らには出来ない事だから、と思っていた。15年がそうして過ぎていた。時は未曾有の経済不況、大恐慌の様相を呈しはじめた。今年は一国の不動産不況、限定版バブル崩壊で終わると思っていたのに、地球を...
コンペ夢の中

コンペ夢の中

オバマが勝利した。きっと何年もたってから、歴史として振り替えるのだろう。歴史上の大きな変革はその只中ではさほど感じないものだが、今回はひしひしと感じる。コンペの夢を見る。もっとああしていればと後悔ばかり。審査中で思ったほど私の案に票が集まらない、ボンボリに灯がともらない・・・。灯よともれ、と心で念じる。...
結果は・・

結果は・・

設計案コンペは、349件の参加申込みがあり、その内、301点の作品提出がありました。内7点が1次審査通過、と書いてあった。残念無念、入ってなかった。力抜きすぎ、というご批判もありました。はい、その通り。次は頑張るぞ!以上...
佐藤美紀雄先生のこと

佐藤美紀雄先生のこと

もう3年になる。佐藤美紀雄先生の訃報を聞いてから。かつて私の事務所に来られた時には玄関のドアを開け、風のように1番奥の席に座る。しっかりしたあごから繰り出される言葉たち。一つ一つを聞いて心に留めようとした。分譲マンションはもうダメだから、他の方向に行きなさい。そう言われて、紹介もして下さった。あの時で首都圏全体で1万戸の在庫がある、と聞いた。不動産バブル崩壊後の今は一体何万戸だろうか、と思う。最大手の大京が700億円の赤字になった。それに次ぐディベロッパーも聞いている。普通なら倒産しているところだ。...
世にも恐ろしい夢

世にも恐ろしい夢

世にも恐ろしい夢を見た。研究室のようなところにいる。中央にガラス張りの設備ルーム。どちらの部屋の中央にも何やら小山が出来てる。外からのアナウンスが聞こえてくる。部屋の中の堆積物は早く捨てるように、という事らしい。部屋の中を良く見る。すると、小山は実は人間の死体の山だった。近づくと片手でひょいと持てる。手足は硬直していない。なんでだ?日本人はいないようだ。両方の部屋の排水溝を塞ぐように折り重なっている。生物感が無い人形のように感じる。外人の女が多く、全裸だ。ポイポイ投げ捨てていくと、下からカエル人間や...
終わったトタンに

終わったトタンに

終わったトタンに屋根の上・・・、じゃなくて、途端に風邪引いた。奥様が風邪を引いていたのであぶないと思っていたけど、菌は棲みついていたのだ。夜中に寒さを感じ、一気に熱源と化した・・。今日はヘロヘロ、あと1日遅れていたら、出せなかった?いや持ちこたえていたはず。人は不思議だ。締め切りを早めに設定し、自分を欺くと、ちゃんと仮の締め切りぎりぎりに仕上げてくる。3日前でも同じ事。いつもの自分だったら、本締め切り前夜に徹夜が当たり前だった。良かった・・。これも年の功か?...
ひとまず終了

ひとまず終了

コンペ(競技設計)はひとまず終了。競技っていい雰囲気の呼び方。好きです。適度な緊張と眠れない夜の連続。アイデアが出なければ歩き廻る?血の巡りこそが肝要。コンペ中は脳が活性化し新聞の漢字パズルもいつもの半分以下の時間で全部解いてしまえる。寝不足で宙を彷徨う感じが続いて、やがてぽっかり出る、という感じ。とに角、本日提出。天気はいいし、午後は上野公園を散歩してみようかな・・。...
コンペだ!

コンペだ!

この世知辛いご時世にコンペだ。設計競技だ。だから走る、走る。日々の雑音を忘れ没頭しようにも忘れようとすればするほど向こうからまとわりついてくる。じゃれるな、雑念共よ。頭に血が昇り、誰もかけていないのに独りプレッシャーにあえぐ。いつものボリュームチェックならせいぜい2日で出来るのにもう1ヶ月たったのに、法規の全てを置いてきぼりにした事に気付く。あれ、公共建築物って超法規じゃないのかい?駐車場法も緑化も指導要綱もいらないのでは??コンペの要綱=指導要綱では?と勝手に思っていたのが大間違い。あえぐ、普通の...
昔の杵柄

昔の杵柄

メタボを脱した。半年前から脱メタボ宣言をして、食事制限一切無しでノンウエイトトレーニングのみで(要するにテレビ寝運動)何とか脱出した。ウェストはマイナス7cm。今度は体調が良くなると次は筋肉がうずく。3ヶ月前からウェイトトレーニングを再開した。1年ぶり。といっても前年もわずか1ヶ月でやめている。今年は続く。何せノルマなし。やる気なし、いつやめてもいい、という安直法。するすると続き、気付いたら週に1回ポッキリなのに、20年前のベスト筋力にほぼ戻っていた。これにはおにょろいた。ウェイトプレートを間違えて...
濁流の跡

濁流の跡

夢)暗い雲が空全体を覆っている。濁流は去ったようだ。増水した小川に普段なら水を被らない雑草が水草のようにそよぎ、それを透明な水が柔らかく包み込んでいく。生まれ故郷で良く見た光景だ、と思い出す。道は未だ泥をかぶり薄く水を被ったままだ。しばらく進むと沼があり、脇の堤から、崩壊を防ぐ網で覆われている透き間から巨大な蛇がするすると躍り出る。直径30cmはありそうな大蛇が2匹、沼にすべり出てしばらく悠々と水面を泳ぎ、灰色のまだら模様を見せ付ける。誰かが言っていた伝説の大蛇らしい。急いでデジカメを捜すがバッグが...