昭和の森ホテル

正式名称は知らない、覚える気も無い。昭島市にあるホテル。

我が家ではそう呼んでいる。

東京西部で冠婚葬祭があるときはここ10年くらいこのホテル1階にある和食店、車屋を利用する。
3月に入ってようやく暖かくなり奥様と私の実家、2家族分の法事を同時に行う事にした。といってもただのお墓参り。

お墓は我が家から70km以上離れている上に、さらにその先の高尾山にも登らなければならない。
義理の父親が大好きで毎週登っていた、お札も欠かさず毎年頂いていた。これは供養も兼ねて行かねばならない。

初日は2ヶ所の墓参りをして一泊、翌日は朝から高尾山に向けて出発。いいね、この日を1年待ったね。
拠点が必要、そういえばあの和食レストランの上はホテルだったね、オークラ系でしっかりしていたはず。
一度最上階のラウンジで御茶を飲もうと行ったけれど満員で断られた。リベンジあるのみじゃ。

1)昭和の森ホテルラウンジから見る景色。
左側は横田基地。ひっきりなし軍用機がライトを明滅させて飛び立つ。
このホテルの場所も元は軍事施設だったのかな?

ホテル外観、丸いところがラウンジ、下は庭に建つ付属のチャペル。

ホテルの客室、意外と広い。スタンダードで30m2ある。


1階に車屋がある上に洋食もおいしい。やっぱり東京のレストランが一番なのだと思う。

いくら食材が揃うリゾートでも職人のレベルがまるで違う。リゾートホテルは雰囲気を食す場所。
味わうならここ東京。

夕食を車屋で食べていると不思議な感覚になる。ここで親父の3回忌、義父の1周忌、義母の誕生会、いつも昼間の池の鯉を見ていた。

今日は夜、池の鯉たちも浅く暗い水に沈んでいる、ふと彼らの目線で泳いでみようと思った。
小さな洞穴、噴水、向こうに見える相手の鯉、目の上に見える外の景色。浅い水の中すいすい泳げる。年の功ですな、経験と創造力でリアルスイミングが出来る。

ふと目線を上げると奥様の顔がこちらを見てる。ここで見送ったね大事な人たちを。

2)桜が早くも咲き出した高尾山駅、クマケンの設計。
木材の断面を並べて見せリズム感を生み出す必殺打法。

 

高尾山の神社。薬王院。

参道は植樹された杉並木、花粉症の私にはこれ以上ない責め苦。

高尾山は不思議な山だ。観光客が多くてリフト、ケーブルカーとダブルで揃いアクセスも抜群。

だけど、現在歩いている人と、昔から棲んでいる霊たちとのギャップが激しすぎる。ソフトクリームを頬張りお札を捜し求め、人の列の後ろについてぞろぞろ歩くけど、何も伝わってこない。ただ、古い建物だけが異様な雰囲気を発散させてバリアを築いていた。どこにいるのだろう?彼らは?

 

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