ファイナルアンサー
ここ数年いつか倒れて入院するからね、と話し続けていた。
この忙しさでは本当に持たないんだ、それがいつか、いつか・・・ついに来てしまった。
4月20日発症。顔面神経麻痺、ウィルス性のハント症候群。顔の半分がある日突然動かなくなる、表情筋が固まる。
去年の突発性難聴の耳鼻科に駆け込む。連休ですね、明日から入院しましょう。
一瞬、その時が来た、と期待に蠢くが入院先候補の2の病院名を聞いてがっかり。
白いレースを揺らす緑の風、優しい看護士さん、静かに穏やかに流れる時、どれとも程遠かった。食事も我慢できそうも無い。
あ、もう少し様子を、そういって引き下がる。
1万人に7人程度しか年間で発症しない、とに角ステロイドと原因菌のヘルペスを殺す抗菌薬の大量投与とあいなる。
当然ネットで調べるも相変わらず根拠のなさそうなコピペの嵐、リアルさは微塵も見えてこない。
こういうときは個人のブログ、見つけました。
「ハント症候群・顔面神経麻痺の治療とリハビリ。ひとりの患者として…」
http://tomotamo.blog48.fc2.com/
4月20日土曜日の午後、いつもの歯医者からの帰り道I内科の先生の前を通る、数少ない信頼できる医者だ、入ろうかと思ったけど何と言って良いか分からない、ただ疲れて体が・・・しか言えそうも無い。
この時は未だ気付いていない。疲労感だけ。
背中に重い感覚を背負ったままとぼとぼと家にたどり着く、鏡を見て、あれ、笑えない、顔の左半分唇がぴくりとも動きやしない、慌てて奥様を呼ぶ、いつも面白い表情ばかりして笑わせている私が凍っている。二人であせる。
そして恐怖と不安で眠れない石の様な夜が始まった。
麻痺している側の瞼が閉じてくれない、瞬きも出来ない、だからいつも涙でかすみ湖になって、水滴レンズを形成し2重に見える。
頭を洗おうものならいつものマイルドシャンプーが目に突き刺さってくる。ぎゅっと寝ているときみたいに両目を閉じないと防げない。
麻痺側だけ目が乾き、開けてられない、これで仕事するんかい、仕方なく1日だけ出て、GW前に何とか納期に間に合わせる。
GWに予定していた伊豆旅行は2箇所ともキャンセル。今井浜東急リゾートとホテル海、いい部屋が取ってあったのに、ううそんなこと言ってる場合じゃない。入院かどうかの分かれ目。
結局、2日でステロイドが効いてきて痛みと痺れが取れる。
自宅療養と相成りました。なんせ、医者も10連休じゃ、なんてこと!
でもだからこそこのタイミングで発症した。体が今ならいいよ倒れても、と言ったのだろう。
それにしても難病、私にとっては重過ぎる病気、顔が動かずご飯もスープも飲めない、唇のはしから零れ落ちていく。
幸せだけはこうはさせんぞ、そう誓うも空しい。
幸い私の顔の筋肉は人よりもよく動いた方だ。
奥様を笑わす為に日々物まねと顔面ジェスチャーで笑わせていたし、ボディビル中も顔の筋肉で腕の筋肉を吊り上げているようなところが合ったし。
人よりも歯を食いしばる事が多いことがリハビリに効きそうという予感だけはあった。
今日で発症から10日目、令和元年らしい、当初、左半分唇は2mmも動かなかったのが今では1cm以上動くようになった、何とかウインクも口笛も少し鳴るようになった。
最長のGW休みが過去最長の病気療養期間となった。
神様が決めてくれたスケジュールみたいだ。
これからゆっくりなおすべえ~~~。
画像は高尾山の天狗像。3月に登った。
tamaさん、大変な事になっていたのですね。
どうか無理せず(難しいでしょうけど)療養して下さい。
回復を祈っています。
有り難う御座います、少しずつ少しずつ快方に向かっているようです。休むべき時が来たのでしょう。