夢:岩戸の家
大きな田舎の民家が見えてきた。裏は雑木林が密生し守られている。
表からみると木造の民家だが入り口が無い。
いやあるにはあるのだけれど、大岩が積み重なった防御壁を超えた天井近くの隙間が入り口らしい。
とに角中に入らなければ、岩をよじ登り途中ロッククライミングのようになり体が反転する。
これほど危険を冒してまで入る価値があるのだろうか?
疑問に思いながらも天井近くの唯一の隙間から集まった人々が囲炉裏の周りで談笑しているのが見える。
もう少しだ、岩に掛かった指がはずれそうになる。
眼下の岩肌がリアルに誘っているように見える。
このまま落ちてしまった方がずっと楽だろうに、そう思った。
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夢解釈
昨日はおじさんの一周忌だった。父方のおじだ。
姉と自分の結婚式で会った事があるけれど、
その子供たち、つまり従兄弟とは50年間全く会っていない。
他の父の兄弟の子供たち、つまりは従兄弟たちとも全く状況は同じ。
父は自分の兄弟関連と会うのを極度に嫌っていた。
完全にブロックアウトし、誰かの法事があっても私には連絡が無かった。
母もそんなものと思っていたらしい。
しかし父の死後、私は全ての親戚関係を復活させる方針を立てた。
親父の私情で世の中の義理を果たさないのは許されない。
老後の事もあるので、50年前に埋もれたままの親類という名の土を掘り返し始めた。
その第一弾。50年ぶりに出席します、と答えたら、向うは一体どんな人が来るのだろうと興味津々だったみたい。
3日前からじわじわとプレッシャーを感じ始め、
ついにままよ、と当日2時間西武線に揺られて父方の親類としてたった一人、会場のお寺に向かった。
50年分の非礼をわびる言葉は捜しても見つからない・・。
それが上記の夢。帰宅するとどっと疲労が押し寄せ
引きかけていた風邪が悪化し、一気に倒れこむ。
世の中の事はほおって置いても良いものじゃない。
義理を欠いてもいいものじゃない。
誰かがそのツケを払う。
親父はそれを知らなかったみたい。
つらい子供時代の思い出から一生逃げおおせると思っていたのかな。