8年目の父の影
2019年12月7日
親父が亡くなってもう8年になる 。
最近では位牌に手を合わせても父の影も見えて来ない。
最近その父が存在感を示した 、
母はもうすぐ94歳 高齢者専用のサ高住に住んでいる。 一人部屋だ 18平米のワンルーム、 そこには私が設置した見守りカメラがある。以下は奥様の証言。
一週間前 今日と同じように冷たい雨が降り続き、空は昼間だというのに暗い 。
そんな時母は冷蔵庫を開けて 3日前に私が忘れて置いていった とりそぼろ弁当を食べようとした 。
その時だった 偶然カメラを見ていた奥様の目に映ったのは 静かに開くクローゼットの扉 、風もないのにスーと開いたそうだ 。 クローゼットは 食べようとする母の背中側にある、でも目の前に鏡がありそこには扉がちゃんと写りこんでいる 。
と同時に照明がパチパチと何度か点滅を繰り返した。
母は何かを感じたのだろう、くるっと振り返ると クローゼットの方に近づいてきた。 そして誰かいるのかと思って 玄関の方に歩いて行った。 誰もいないことを確認した母は不思議そうな顔をして戻ってきた。
この時間稼ぎが功を奏し 直後に夕食を知らせるヘルパーさんが部屋に入ってきた。
こうして母はその傷んだお弁当を食べずに済んだ 。
そのクローゼットのすぐ隣は父の位牌が置いてある場所だった。不思議不思議。
右がそのクローゼット左奥に玄関扉。家具を置く前の写真。
現在はその右側にタンス、上に父の位牌が乗っている。