海が閉まっている

GWは閉塞感に包まれた、安静にしていなければならない。顔面神経麻痺は要求する。じっとなどしていられない、何処かに行かなければGWじゃない。
と言う訳で、発症後僅か1週間でヤマヒョウの墓参りに行く。
自宅も近いからお墓も近い。おねえさんから聞いた番地?通りに尋ねるとありました。
ヤマヒョウが喜びそうな少し派手目の花を持っていく。雲ひとつ無い天気、青い空に目を奪われる。
ここにいたんだ、よしよし、人気の無い墓所にはおけも掃除道具も近くに見当たらない、他の墓の管理に来た若い人に事情を話したらステンレスのバケツを貸してくれた。水場だけは要所にある、水で清めながら手を合わせる。

自分でも病気のせいで顔が曲がっているのが分かる、背中の風の音がヤマヒョウの声に聞こえた。途端に抑えていた感情が溢れた、何故か謝ってばかりいる自分がいた。口が斜めになりうまく泣けない、人が泣く時は唇も連動している事に始めて気付く。ひょっとこみたいな顔で頬を斜めに流れる涙をぬぐう。
もう会えない、何時だって電話したら相談に乗ってくれたヤマヒョウがもういない。私はこれから正しい道を歩めるのだろうか?
笑ってくれヤマヒョウ、もう会えないなんて言わないでくれ。勝手な私を許してくれ、言葉が涙に載って流れていく。

青い空が吸い込もうとしてる、この気持ち、人生の避けがたい悲しみ。

GW最後の日は、仕方ない近場の海に行くべ、と相成った。
自宅から1時間でいける稲毛の浜。ここの植物園とレストランがとても好きだった。過去形、そうあの3.11で液状化して以来、どちらの運営形態も変わってしまった。
花は少なくなり、レストランの料理は落ちた。それでも、大好きだった雰囲気だけは残っている。

だから行こう、稲毛の海に、人工の海浜公園へ。
で、。。。。来て見たら、あれ。閉鎖中。海が閉鎖ってあるんかい?

これは家でじっとしてた方が良かったのかも?曇った空と剥がされた砂しかない浜で、嵐が着そうな気配に、遠くヨットが帰路を急ぐ様を見てそう思った。

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